【初心者向け】WordPressでよくあるトラブルと解決方法6選(セキュリティ注意点つき)

はじめに

WordPressは世界中で利用されている人気のCMSですが、その分トラブルも起きやすいシステムです。
「急にサイトが真っ白になった」「画像が表示されない」「メールが届かない」など、一見パニックになるような問題も、実は原因を整理すれば自分で解決できることがほとんどです。

ただし、放置するとサイトの信頼性やセキュリティに関わる重大な問題に発展するケースもあります。
そこで今回は、初心者の方でも対応できるトラブル解決法と、被害を防ぐためのセキュリティ注意点をまとめました。

トラブルに慌てず、ひとつずつ確認していきましょう。

1. 更新後にサイトが真っ白になる

WordPressで最も多いトラブルのひとつが、「更新後にサイトが真っ白になって表示されなくなる」というものです。
主な原因は、プラグインやテーマの競合・PHPバージョンの不一致・キャッシュの不具合などが考えられます。

対処方法

  1. プラグインを一時停止する
    管理画面に入れる場合は、すべてのプラグインを停止し、1つずつ有効化して問題の原因を特定します。
    管理画面に入れない場合は、FTPやサーバーのファイルマネージャーから /wp-content/plugins フォルダ名を一時的に変更することで全停止できます。
  2. テーマをデフォルトに戻す
    使用中のテーマが原因の場合は、WordPress標準テーマ(例:Twenty Twenty-Four)に切り替えて確認します。
  3. キャッシュを削除する
    ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュが古いデータを保持している場合、表示が崩れることがあります。キャッシュクリアで改善するケースも多いです。
  4. PHPバージョンの確認
    古いテーマやプラグインが最新のPHPに対応していないと、エラーが出ることもあります。サーバー側の管理画面でバージョンを切り替えて確認しましょう。

このエラーは焦りがちですが、「直前に更新したもの」から順に疑うのが基本です。

また、更新前には必ずバックアップをとり、問題発生時にはすぐに戻せる準備をしておくことも忘れないようにしましょう。
「更新」はセキュリティ面では重要ですが、万一のための備えがあるだけで、トラブル時の復旧スピードが大きく変わります。

2. ログインできない/管理画面に入れない

WordPressのトラブルでよくあるのが、「突然ログインできなくなった」というケースです。
ユーザー名やパスワードを入力しても弾かれる、ログインURL自体が表示されない──そんなときは、いくつかの原因を順に確認していきましょう。

主な原因と対処法

  1. ログインURLの変更を忘れている
    セキュリティ目的でログインURLを変更している場合、ブックマークが古いままになっていることがあります。
    /wp-login.php や /wp-admin のどちらにもアクセスできない場合は、セキュリティプラグインでURLを変更した可能性を確認しましょう。
  2. Cookieの問題・キャッシュの影響
    ブラウザに古い認証情報が残っていると、ログインが弾かれることがあります。
    一度Cookieとキャッシュを削除してから、再度ログインしてみてください。
  3. パスワードを忘れた場合
    ログイン画面にある「パスワードをお忘れですか?」から再発行できます。
    メールが届かない場合は、WordPressのメール送信設定(SMTP)を見直す必要があります。
  4. プラグインの不具合でリダイレクトループになる
    ログイン直後に再びログイン画面へ戻される場合、プラグインの競合が原因です。
    FTPなどから一時的に /plugins フォルダ名を変更して全停止し、再度ログインを試みましょう。

ログインできない状態は焦りやすいですが、「直前に何を変更したか」を思い出すことが解決の近道です。
また、管理画面にアクセスできなくても、FTP経由で修正できることを知っておくと安心です。

3. 画像が表示されない/崩れて見える

「画像が表示されない」「レイアウトが崩れて見える」といったトラブルも、WordPressではよく起こります。
見た目の不具合に見えても、原因は キャッシュ・パス指定・テーマやCSSの影響 など多岐にわたります。

主な原因と対処法

  1. キャッシュが古い
    ブラウザやサーバーに古い情報が残っていると、更新後の画像やデザインが反映されません。
    ブラウザのキャッシュ削除、キャッシュ系プラグインの一時停止・クリアを行って確認しましょう。
  2. 画像のパスが正しくない
    メディアライブラリで画像が存在していても、HTML上のURL指定が間違っている場合は表示されません。
    WordPress管理画面の「メディア」から画像URLを再確認し、正しいパスに修正します。
  3. テーマやCSSの不具合
    テーマ更新後にデザイン崩れが発生した場合は、CSSファイルのキャッシュや互換性を疑いましょう。
    子テーマを利用している場合、親テーマ側の更新で指定が変わっている可能性もあります。
  4. CDN(コンテンツ配信)設定の問題
    画像最適化やCDNプラグインを導入している場合、URLの置換やキャッシュ反映に遅れが出ることがあります。
    一時的にCDN機能をオフにして確認してみてください。

画像関連の不具合は「キャッシュのリセット+画像パス確認」で解決するケースが多いです。
定期的にブラウザとサイトのキャッシュをクリアし、常に最新の状態で表示を確認する習慣をつけましょう。

4. メールフォームが届かない

「お問い合わせフォームを送信してもメールが届かない」──これもWordPressでよくあるトラブルの一つです。
特に Contact Form 7WPForms などを利用している場合、サーバー設定やメールの送信方式が原因でエラーが発生することがあります。

主な原因と対処法

  1. WordPress標準のメール送信機能(PHP mail)が使えないサーバー
    一部のレンタルサーバーでは、スパム対策のため標準のメール送信機能が制限されています。
    この場合は、SMTP設定を使って「確実に送信できるルート」を設定するのが安全です。
  2. 迷惑メールフォルダに入っている
    送信先アドレスがGmailなどの場合、自動送信メールがスパム扱いされることがあります。
    まずは迷惑メールフォルダを確認してみましょう。
  3. 送信元メールアドレスの設定ミス
    「From」欄に独自ドメイン以外のメール(例:@gmail.comなど)を設定すると、サーバー側でブロックされることがあります。
    フォームの送信元メールアドレスは、自社ドメインのものに統一しましょう。
  4. プラグインの競合・スパムフィルタとの干渉
    スパム対策プラグイン(reCAPTCHAなど)を導入している場合、認証設定の不備が原因でメール送信が失敗することもあります。
    一時的に停止してテスト送信し、問題が再現するかを確認してください。
  5. SPF/DKIM設定が未対応で届かない
    独自ドメインのDNSに送信者認証(SPF・DKIM)が設定されていない場合、Gmailなどのメールサーバー側で「なりすましメール」と判断され、受信を拒否されることがあります。
    DNS設定画面からSPFレコード・DKIMレコードを登録し、正しい送信元認証を行うことで改善します。

フォームの不具合は、「サーバー設定」「送信元アドレス」「SMTP対応」「SPF/DKIM認証」の4点を見直すだけで解決することが多いです。
また、定期的にテスト送信を行い、実際に届くかどうかを確認しておくと安心です。

5. 表示速度が急に遅くなった

「昨日までは普通だったのに、急にサイトが重くなった」という相談も多くあります。
WordPressは便利な反面、プラグインや画像、サーバー負荷などの影響を受けやすいため、複数の要因が重なると表示速度が大きく低下します。

主な原因と対処法

  1. プラグインの入れすぎ・競合
    不要なプラグインを複数入れていると、ページ読み込み時に多くのスクリプトが実行され、速度が低下します。
    使っていないプラグインは削除し、必要最低限に絞りましょう。
  2. 画像サイズが大きすぎる
    1枚あたりの画像容量が大きいと、特にスマホ閲覧時に読み込み時間が伸びます。
    アップロード前に圧縮するか、WebP形式で保存することで軽量化が可能です。
  3. キャッシュの問題
    キャッシュプラグインの設定が適切でないと、古いデータが残って遅くなる場合があります。
    一度キャッシュを削除し、設定を見直しましょう。
  4. サーバー側の負荷
    共有サーバーを使っている場合、同じサーバー上の他サイトの影響で遅くなることがあります。
    アクセスが増えている場合は、より高性能なプランへの移行を検討しましょう。
  5. 外部スクリプトの読み込み
    アクセス解析やSNS連携など、外部スクリプトが多いと読み込み時間に影響します。
    本当に必要なスクリプトだけを残すようにしましょう。

表示速度の低下は「画像」「プラグイン」「サーバー」の3要素を見直すだけでも大幅に改善します。
特に、日常的なメンテナンスと軽量化の意識が、トラブル予防にもつながります。

6. サーバーの不正アクセス・乗っ取り被害

WordPressを運用していると、知らないうちに「海外サイトへ転送される」「管理者がログインできない」などの異常が発生することがあります。
これは、サーバーやWordPressの脆弱性を突かれた不正アクセス・乗っ取り被害の可能性があります。

主な症状

  • トップページが改ざんされ、別のサイトに飛ばされる
  • 管理者アカウントが削除・変更されている
  • FTP内に見覚えのないファイルやフォルダが作成されている
  • Google検索で「このサイトは安全ではありません」と表示される

主な原因

  • 弱いパスワードの使用(admin / 123456など)
  • 古いプラグインやテーマを放置
  • セキュリティ対策のない共有サーバーの利用
  • WordPressやPHPのバージョンが古いまま

対策方法

  1. WordPress・プラグインを常に最新化
    古いバージョンのまま放置すると、既知の脆弱性を悪用されやすくなります。更新通知が出たら速やかに対応しましょう。
  2. セキュリティプラグインを導入する
    ログイン試行回数制限・不正アクセス検知・ファイル改ざんチェックなどが自動で行えるため、早期発見が可能です。
  3. 定期的なバックアップを取る(外部保存)
    万一の際に迅速に復旧できるよう、サーバー外(クラウドストレージなど)にバックアップを保存しておきましょう。
  4. 不審なファイルやユーザーを見つけたら即時対応
    心当たりのないPHPファイル・管理者アカウントを見つけた場合は、削除する前にホスティング会社へ連絡し、状況を共有してください。

被害を放置すると、検索結果からの除外やドメイン停止といった深刻な影響を招くおそれがあります。
また、改ざんされたページ経由でユーザーのパソコンがウイルス感染するなど、被害がサイト外にも拡大する可能性があります。
「自分のサイトは大丈夫」と思わず、“起きる前に備える” という意識が何よりも大切です。

まとめ

WordPressのトラブルは、日々の運用の中で誰にでも起こり得るものです。
ただし、多くのケースは 「更新」「設定」「セキュリティ」 に原因があり、焦らず順に確認すれば自分で解決できる場合も少なくありません。

特に注意したいのは、セキュリティ関連のトラブルです。
サイトの改ざんや不正アクセスは、運営者だけでなく、訪問者にも被害を及ぼす可能性があります。
「問題が起きてから対応する」ではなく、日頃から予防・バックアップ・最新化を徹底することが最大の防御になります。

もし自力での復旧が難しい場合や、サーバー側での被害が疑われる場合は、早めに専門家やホスティング会社へ相談し、二次被害を防ぎましょう。

最後に

WordPressは自由度が高く、誰でも簡単に使える反面、ちょっとした設定ミスや更新忘れが思わぬトラブルにつながることもあります。
特にセキュリティ面の不備は、自社サイトだけでなく訪問者にも影響を与えるリスクがあるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

「サイトが真っ白になってしまった」「ハッキングかもしれない」「メールが届かない」
そんなときは、無理に自己解決を試みるよりも、早めに専門家へ相談することが安全です。

当社では、

  • WordPressの復旧対応
  • 不正アクセス・マルウェア感染の調査と対処
  • 定期バックアップ・セキュリティ強化の保守プラン

などを通じて、安心してサイトを運用できる環境づくりをサポートしています。

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