【初心者向け】Googleアナリティクス4で必ず設定しておきたい5つの項目

はじめに
Googleアナリティクス4(GA4)は、旧ユニバーサルアナリティクスから大きく仕様が変わり、最初に触ったときに戸惑う方の声をよく聞きます。
画面の見た目や用語が変わっただけでなく、「イベントベース」の仕組みによって柔軟な計測ができるようになった一方で、「何を設定すればいいのかわからない」と感じている方も少なくありません。
実際、GA4を初期設定のまま使っていると、必要なデータが取れなかったり、正しい数値が把握できなかったりすることがあります。
せっかく導入しても活用できなければ意味がありません。
そこで本記事では、GA4を使うなら最低限ここだけは押さえておきたい重要な設定項目5つを初心者向けに解説します。
これから設定を進める方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. データ保持期間の延長
GA4の初期設定では、ユーザー単位のイベントデータの保持期間が2か月になっています。
このままでは、過去のデータを振り返って比較しようと思っても、すぐに消えてしまい長期的な分析ができません。
たとえば、
- 半年前のキャンペーンと今の成果を比較したい
- 季節ごとのアクセス傾向を知りたい
といった分析が必要になったとき、保持期間が2か月では十分に対応できないのです。
実は保持期間は14ヶ月に変更することができます。そうすることで1年以上前のデータを比較することができるようになります。
設定方法
- GA4管理画面から「管理」→「データ設定」→「データ保持」をクリック
- 「イベントデータ保持」を14か月に変更
- 「適用」をクリックして保存
これで、より長期的なデータをもとに分析できるようになります。
特に月ごとの傾向を見たい場合や、年単位で比較したい場合には必ず設定を変更しましょう。
2. 内部トラフィックの除外(IPフィルタ)
GA4のデータには、自分や社内メンバーのアクセスも含まれてしまうのが初期状態です。
このままでは「アクセス数が増えた」と思っても、実際には社内でのテストや確認作業がカウントされているだけ、ということも少なくありません。
正しい分析をするためには、内部トラフィックを除外する設定が欠かせません。
設定方法
- GA4管理画面で「管理」→「データストリーム」を選択
- 対象のデータストリームをクリックし、「その他のタグ設定」→「内部トラフィックの定義」を開く
- 社内や自宅などのIPアドレスを入力して保存
- さらに「タグ設定」で「内部トラフィックを除外するルール」を有効化
注意点
- IPアドレス単位での制御になるため、スマホなど外部回線からのアクセスは除外できません。
- 社内や自宅のインターネット環境によっては、IPアドレスが変わる場合があります。変わったときは再設定が必要です。
このような制限はありますが、内部アクセスを除外するだけでもデータの精度は大きく向上します。
特に小規模サイトでは、社内アクセスが全体の数値に大きく影響することがあるため、早めに設定しておくのがおすすめです。
3. コンバージョン(キーイベント)設定
GA4では、従来の「コンバージョン」という言葉の代わりに、「キーイベント」という表現が使われています。
つまりキーイベントとは、ビジネス上の成果につながる重要なアクション=コンバージョンのことです。
これを設定していないと、単なるアクセス数や滞在時間だけがわかっても、本当に成果が出ているのかを判断できません。
たとえば以下のようなアクションをキーイベント(コンバージョン)に設定するのがおすすめです。
- お問い合わせフォームの送信
- 資料請求フォームの完了
- 商品購入や決済完了
- メール登録や会員登録
設定方法
- GA4管理画面で「イベント」を開く
- 自動で計測されるイベント(例:page_view、click)やカスタムイベントを確認
- コンバージョンにしたいイベントの横にあるトグルをONにして「キーイベント」として登録
注意点
- フォーム送信のようなアクションは、自動ではイベント計測されないこともあります。その場合はGoogleタグマネージャーなどを使ってイベントを設定する必要があります。
- 「キーイベント数」が正しくカウントされるか、テストをして確認しておきましょう。
キーイベント(コンバージョン)の設定は、「アクセスが成果につながっているか」を見極める最重要ポイントです。
GA4を使うなら、必ず最初に押さえておきたい設定です。
4. サイト内検索の設定
ユーザーがサイト内でどんな言葉を検索しているかを把握することは、ニーズの発見につながる重要なヒントになります。
GA4には「サイト内検索キーワード」を記録する機能があり、これを有効にしておくと以下のような分析が可能です。
- ユーザーが求めている情報(=記事やサービス)が見えてくる
- 探されているのにページが存在しない場合は新規コンテンツを追加できる
- サービスや商品名の検索が多ければ、関心度の高さを確認できる
設定方法
- GA4管理画面で「管理」→「データストリーム」を開く
- 対象のストリームをクリックし、「拡張計測機能」を確認
- 「サイト内検索」が有効になっているかチェック
- URLに使われている検索パラメータ(例:?s=〇〇 や ?q=〇〇)を設定
注意点
- WordPressなどではデフォルトで「?s=」が使われています。
- CMSによって検索パラメータが異なるため、事前に確認しておく必要があります。
- 検索結果ページが存在しないサイトでは、この機能は利用できません。
サイト内検索のデータを活用することで、ユーザーが何を求めているのかを直接把握できるため、コンテンツ改善に大いに役立ちます。
5. Google シグナルを有効にする
GA4をより活用するためには、Googleシグナルを有効にしておくことがおすすめです。
Google シグナルを有効化すると、Googleアカウントにログインしているユーザーのデータをもとに、より詳しい分析が可能になります。
できるようになること
- クロスデバイスの計測:同じユーザーがスマホとPCを使い分けても、同一ユーザーとして分析できる。
- 年齢・性別・興味関心などの属性データ:匿名化された形で、ユーザー層の特徴を把握できる。
- リマーケティング機能の活用(Google 広告と連携している場合):特定のページを見たユーザーに広告を出すなどの施策が可能。
設定方法
- GA4管理画面で「管理」→「データ設定」→「データ収集」を開く
- 「Google シグナルのデータ収集」を有効化
- 利用条件に同意して設定を完了
注意点
- データは匿名化され、個人を特定することはできません。
- プライバシー保護の観点から、サイトに適切なプライバシーポリシーを記載しておく必要があります。
Googleシグナルを有効にしておくことで、ユーザー像をより正確に把握でき、分析や施策に役立つデータが得られるようになります。
まとめ
GA4は高機能な分析ツールですが、初期設定のままでは必要なデータを十分に活用できません。
今回紹介した5つの設定を行うことで、より正確で実用的なデータを得られるようになります。
- データ保持期間の延長 → 長期的な比較・分析が可能に
- 内部トラフィックの除外 → 社内アクセスを除外して正確な数値を把握
- キーイベント(コンバージョン)設定 → 成果を測定するための必須項目
- サイト内検索の設定 → ユーザーが求めている情報を直接把握
- Google シグナルを有効にする → 属性・クロスデバイスのデータを活用
まずは 「データ保持」「内部トラフィック除外」「キーイベント」 の3つから設定を進めるのがおすすめです。
余裕があれば「サイト内検索」「Google シグナル」まで整備すると、さらに分析の幅が広がります。
GA4は、設定さえ整えておけば小さな会社や個人でも成果につながる強力なツールです。
ぜひこの機会にチェックしてみてください。
最後に
GA4は便利なツールですが、「設定方法がわからない」「自分でやってみたけど数値が合わない」といった声をよく耳にします。
せっかく導入しても正しく設定されていなければ、分析の精度が落ちてしまい、改善に活かせません。
弊社では、
- GA4の初期設定やイベント/キーイベントの設定
- アクセス解析レポートの作成と改善提案
- ホームページの更新・修正・改善代行
といったサービスを通じて、データを活用したWeb改善をサポートしています。
「GA4を導入したけど活用できていない」
「もっと成果につながる分析をしたい」
そう感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。