【2025年対応必須】Contact Form 7でGoogle reCAPTCHAをGoogle Cloudに移行する方法

はじめに

WordPress でお問い合わせフォームを作る際に最もよく使われているプラグインのひとつがContact Form 7です。
しかし最近、このフォームを守るために欠かせないGoogle reCAPTCHAに大きな変更が発表されました。

これまでの reCAPTCHAは「Googleアカウント単位」でキーを発行して利用できましたが、今後はGoogle Cloud プロジェクトで管理する方式に統一されます。
つまり、これまでのキーをそのまま使い続けると、近い将来動かなくなるリスクがあるということです。

特に企業サイトやサービスサイトでは、お問い合わせフォームが使えなくなるとビジネス機会の損失につながりかねません。
そのため、早めにreCAPTCHAをGoogle Cloudプロジェクトに移行しておくことが重要です。

この記事では、

  • なぜ移行が必要なのか
  • どのように準備すればいいのか
  • 実際にContact Form 7で移行する手順

をわかりやすく解説します。
自社のサイトでまだ旧キーを使っている方は、この機会に移行を済ませておきましょう。

なぜ移行が必要なのか?

Google reCAPTCHAは、フォームに入力する人が「人間」か「ボット」かを自動で判定し、迷惑メールやスパム送信を防ぐ仕組みです。
従来はGoogleアカウントにログインすればreCAPTCHAの管理画面から直接キーを発行して使うことができました。

しかし2025年以降、この旧方式は順次廃止・非推奨となり、Google Cloudプロジェクトを利用してキーを管理する方式に一本化されます。

移行が求められる理由

  • セキュリティ強化:Cloud プロジェクト単位でキーを管理することで、アクセス権限や利用範囲をより細かく制御可能になります。
  • 利用状況の可視化:どのサイトでどれだけリクエストが発生しているかを Cloud Console 上で確認できるようになります。
  • 新しいバージョンへの対応:reCAPTCHA v3やEnterprise版など、最新の判定精度や機能を使うためにはCloudプロジェクト経由が前提になります。

移行しないとどうなる?

旧キーのままでは今後サポート外となり、フォーム送信が正常に動作しない可能性があります。
その結果、問い合わせフォームからの顧客の連絡を受け取れないという事態になりかねません。

移行前に準備するもの

Contact Form 7でreCAPTCHAを移行するには、あらかじめいくつか準備が必要です。

1. Google アカウント

  • Google Cloud Consoleにログインできるアカウントを用意してください。
  • 個人アカウントでも可能ですが、企業サイトの場合は業務用の共通アカウントで管理しておくと安心です。

2. Google Cloudプロジェクト

  • 移行先となるGoogle Cloudプロジェクトを作成する必要があります。
  • プロジェクトごとにreCAPTCHAのキーを管理できるため、サイトごとに分けて作るのがおすすめです。

3. WordPress の管理権限

  • Contact Form 7の「インテグレーション設定」にアクセスできる管理者アカウントが必要です。
  • 併せて、Contact Form 7プラグインが最新版にアップデートされていることを確認してください。

4. サイトURL(ドメイン情報)

  • reCAPTCHAを利用するドメインをGoogle Cloud側に登録する必要があります。
  • 「wwwあり/なし」やサブドメイン(例:blog.example.com)を使う場合は、対象のURLをすべて用意しておきましょう。

準備はできましたか?
次はいよいよ 「移行手順(Contact Form 7編)」 に進みましょう。

移行手順(Contact Form 7編)

ここからは、実際にGoogle Cloud Consoleでキーを作成し、Contact Form 7に設定する流れを説明します。
スクリーンショットを見ながら順番に進めれば、初めての方でも迷わず設定できます。

Step 1. Google Cloud Consoleにログイン

  • Google Cloud Consoleにアクセスします。
  • ご自身のGoogle アカウントでログインしてください。

Step 2. プロジェクトを作成

  • 画面上部のプルダウンから「新しいプロジェクト」を選択します。
  • プロジェクト名を入力し、作成をクリックします。

Step 3. reCAPTCHA Enterprise APIを有効化

  • 左上メニュー「APIとサービス」→「ライブラリ」を選択。
  • 検索窓で「reCAPTCHA」と入力し、該当するAPIを有効化します。

Step 4. サイトキーとシークレットキーを発行

  • 左上メニュー「セキュリティ」→「reCAPtCHA」を選択
  • 鍵を作成をクリック
  • 表示名を入力
  • 利用するドメイン(例:example.com)を追加
  • Create Keyをクリック
  • 発行されたIDがサイトキーになりますのでコピーしてください
  • シークレットキーは「サードパーティのサービスやプラグインと統合する」をクリックすると表示されるのでコピーしておきましょう

Step 5. WordPress 管理画面で設定

  • WordPress 管理画面 → 左メニュー「お問い合わせ」→「インテグレーション」を開きます。
  • reCAPTCHA(v3)の項目をクリックし、先ほど発行したサイトキーとシークレットキーを入力します。
  • 保存をクリックします。

Step 6. フォームの動作確認

  • 実際にお問い合わせフォームを開いて、送信テストを行います。
  • 送信が正常に完了すれば設定完了です。

すでに reCAPTCHA v3 を利用している場合

もしContact Form 7ですでにreCAPTCHA v3を利用している場合は、さらに簡単です。

以下の手順ですぐに移行が可能です。

  • Google Cloud Consoleにアクセス
  • reCAPTCHA APIを有効化
  • 画面中段の「Classic キー」に表示されている対象キーの横に表示される 「アップグレード」ボタンをクリック

これだけで、自動的に Google Cloud プロジェクトへ移行されます。

  • 新しいキーの発行や差し替えは不要
  • WordPress 側の設定変更も不要
  • 移行後もそのまま問題なく動作
    つまり、すでに v3 を使っている場合は 「アップグレード」クリックだけで対応完了 です。

この手順を済ませれば、Contact Form 7がGoogle Cloud管理のreCAPTCHAに対応し、スパム対策が強化されます。

よくあるトラブルと対策

移行作業自体はシンプルですが、実際に設定するといくつかトラブルに出会うことがあります。
ここでは、Contact Form 7 でよくあるエラーとその解決策を紹介します。

1. 「キーが無効です」と表示される

Google Cloud Consoleで登録したドメインと、実際に利用しているドメインが一致していないケースが考えられます。
対策

  • wwwあり/なし を統一する
  • サブドメイン(blog.example.com など)を利用している場合は、そのドメインも追加登録する

2. フォーム送信がブロックされる

reCAPTCHAのスコア判定が厳しすぎる場合や、プラグインの競合が原因になることがあります。
対策

  • Contact Form 7 のバージョンを最新にアップデートする
  • 他のセキュリティ系プラグインとの競合を確認する
  • 一時的に reCAPTCHA v2に切り替えて挙動を確認する

3. reCAPTCHAバッジが画面に常時表示される

reCAPTCHA v3 を利用すると、画面右下に Google バッジが表示されます。
対策

  • デザイン的に目立ちすぎる場合は、CSSで少し透明度を下げて調整可能です。
.grecaptcha-badge {
    opacity: .5;
}
  • ただし 完全に非表示にするのは利用規約違反 になるため注意してください。

自社サイトでの対応事例

今回の移行作業は、当社のwebサイト(Contact Form 7を利用)でも実際に行いました。
その体験を踏まえて、ポイントを共有します。

移行対象

お問い合わせフォーム(サイト全体で最も利用頻度が高いフォーム)
旧来のreCAPTCHA v2キーで動作していたものを、新しいGoogle Cloudプロジェクトのv3キーに差し替え

作業時間

  • Google Cloud Consoleでプロジェクト作成&キー発行:10分程度
  • WordPress側でキーを差し替え&保存:5分程度
  • テスト送信と最終確認:5分程度
    → 合計で20分ほどで完了しました。

実際にやってみると、思ったよりシンプルで短時間で終わる作業でした。
自社サイトは元々reCAPTCHAを導入していたので、大きな変化はないのですが、旧キーには有効期限があるため、早めに対応する必要がありました。
現在は問題なく動作しており、今後も安心して利用できると感じています。

料金について

今までは完全無料で使えたreCAPTCHAですが、Google Cloudプロジェクトに移ったことにより、完全無料ではなくなりました。
ただし、reCAPTCHA v3(Essentials/Standard)は、1か月あたり最大10,000件の評価(アセスメント)まで無料で利用可能です。
小規模〜中規模のwebサイトでContact Form 7のフォームに使う程度であれば、まず無料枠の範囲内で十分収まることが多く、追加費用の心配はほとんど不要だと思います。

まとめ

今回は、WordPressのContact Form 7に導入しているGoogle reCAPTCHAを、Google Cloudプロジェクト管理へ移行する方法を紹介しました。
移行のポイントを振り返ると、

  • 旧来の「アカウント単位キー」は順次廃止予定 → 早めの移行が必須
  • Google Cloud Console で新しいプロジェクトを作成し、reCAPTCHA API を有効化してキーを発行
  • Contact Form 7 の「インテグレーション」画面で新しいキーを登録するだけで反映可能
  • 実際の作業は 20分程度とシンプルで、すぐに対応できる
  • 無料枠は月10,000件までなので、小〜中規模サイトなら追加費用の心配はほぼ不要
    お問い合わせフォームは、ユーザーとの接点として欠かせない機能です。
    万が一 reCAPTCHA が動作しなくなれば、スパムメールの増加や正規の問い合わせが届かないといった大きなリスクにつながります。

そのため、まだ旧キーを使っている場合は、早めに Google Cloudプロジェクトへ移行することを強くおすすめします。*

最後に

reCAPTCHAの移行は一度設定してしまえば安心ですが、Google Cloud Consoleの操作やWordPress側の調整に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、サイトのフォームが止まってしまうと問い合わせを受けられなくなり、ビジネスへの影響は大きくなります。

当社では、今回のような「reCAPTCHA 移行」や「フォームまわりの不具合修正」など、単発のご依頼に対応するスポットサービスを提供しています。

  • reCAPTCHA の移行作業代行
  • Contact Form 7 の設定トラブル対応
  • フォームのテスト・動作確認
  • その他 WordPress に関するスポット調整

「自分でやるのはちょっと不安…」「できるだけ早く確実に対応したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
安心してフォームを運用できるよう、専門家としてしっかりサポートいたします。

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