【Web集客用語をやさしく解説】小さな会社が知っておきたい10のキーワード

はじめに

Web集客の情報を調べていると、カタカナやアルファベットの専門用語がたくさん出てきます。
「SEO」「MEO」「CTA」など意味を何となく理解しているつもりでも、いざ自分の会社の集客にどう使えばいいか分からない、という方は多いのではないでしょうか。

特に、小さな会社や個人事業の場合、Web担当者がいないことも多く、経営者やスタッフが兼任で対応しているケースがほとんどです。
そのため、用語の理解が追いつかないまま施策を進めてしまい、効果が出ないということも少なくありません。

そこで、この記事ではWeb集客で頻繁に登場する10のキーワードを、専門用語を知らない人でも理解できるようにやさしく解説します。
単なる意味の説明だけでなく、現場での使いどころ今日から実践できるアクションも合わせてご紹介するので、「知って終わり」ではなくすぐに行動につなげられる内容になっています。

「Web集客を基礎から学びたい」という方に、ぜひ読んでいただきたい記事です。
それでは早速、Web集客の全体像から見ていきましょう。

Web集客の全体像

Web集客は、単に「アクセスを増やすこと」だけではありません。
ユーザーがあなたの会社やサービスを知ってから問い合わせや契約に至るまでには、いくつかのステップがあります。

一般的には以下のような流れで進むと言われています。

  • 認知(存在を知ってもらう)
  • 興味・関心(詳しく知りたいと思ってもらう)
  • 比較・検討(他社と比べたときの強みを理解してもらう)
  • 行動(成約)(問い合わせ・購入などの行動を起こしてもらう)
  • 継続・再来訪(リピートや紹介につなげる)

Web集客に関する用語や施策は、この流れのどこかに位置づけられます。
用語を覚えることは、この流れの中で自分がどこを強化すべきか判断できるようになることです。

本記事で紹介する10のキーワードは、この集客フロー全体をカバーしています。
この後の章では、1つずつ用語を解説しながら、現場での使い方や今日からできるアクションもお伝えしていきます。

1. SEO(検索エンジン最適化)

SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索エンジンで、自社のページをより上位に表示させるための施策全般のことです。
上位表示されることで、検索から自社サイトを訪れる人(オーガニック流入)を増やせます。

現場での使いどころ

  • 新規顧客の認知を広げるための基盤施策
  • 商品・サービス名よりも、「お悩みキーワード」や「地域+業種」などで検索してきた人を取り込む
  • 中長期的に安定したアクセスを確保できるため、広告費を削減できる

よくある勘違い

  • 「記事を大量に増やせば順位が上がる」
    → 量よりも、検索意図に合った質の高いコンテンツが重要
  • 「SEOは一度やれば終わり」
    → Googleのアルゴリズムや競合状況は常に変化するため、定期的な改善が必要
  • 「専門用語や難しい文章のほうが評価される」
    → ユーザーにとってわかりやすい構成・表現が評価されやすい

アクション例

  • Google Search Consoleに登録して、現在どんなキーワードで表示・クリックされているかを確認
  • 上位表示されているページのタイトルと見出しが検索意図に合っているか見直す
  • 自社の強みや専門性(E-E-A-T)を補強できる情報を追記する

MEO(Googleビジネスプロフィール最適化)

MEO(Map Engine Optimization)とは、GoogleマップやGoogle検索の地図枠で自社の店舗・事務所を上位表示させるための施策です。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の情報を整え、地域名+業種で検索されたときの露出を高めます。

現場での使いどころ

  • 来店型ビジネス(飲食店・美容室・整骨院など)や、地域密着型サービス(士業・建築業など)の集客に直結
  • 検索結果の地図枠(ローカルパック)はスマホ画面の上部に表示されやすく、視認性が高い
  • 口コミや写真が充実している店舗はクリック率や来店率が上がる傾向

よくある勘違い

  • 「投稿すれば順位が上がる」
    → 投稿は重要だが、カテゴリ設定・NAP情報(名前・住所・電話)統一・口コミ対応などの基礎が整っていないと効果が薄い
  • 「口コミは自然に増える」
    → 実際には依頼しないと増えにくく、競合との差が広がる
  • 「業種カテゴリは1つだけ」
    → 主カテゴリ+関連カテゴリを適切に設定すると表示機会が広がる

アクション例

  • Googleビジネスプロフィールにログインし、主カテゴリとサブカテゴリが正しいか確認
  • 住所・電話番号・営業時間を公式サイトやSNSと同一表記に統一(NAP一致)
  • 最近の写真を3枚以上アップロード
  • 信頼できる顧客に口コミ投稿をお願いし、返信を行う

3. 検索意図(Search Intent)

検索意図(Search Intent)とは、ユーザーが検索キーワードを入力した背景にある「本当に知りたいこと・解決したいこと」です。
同じキーワードでも、調べたい目的によって適切なコンテンツやページ構成は変わります。

現場での使いどころ

  • SEOやMEOで上位表示を狙うときにコンテンツの方向性を決める基準になる
  • 検索意図を外した記事は、たとえキーワードが含まれていても順位が上がりにくい
  • Googleは検索結果のクリックや滞在時間などを通じて、コンテンツが意図に合っているかを評価している

よくある勘違い

  • 「検索キーワードが入っていればOK」
    → キーワードの羅列ではなく、検索ユーザーが求める答えを提供することが重要
  • 「意図は1つだけ」
    → 同じキーワードでも「情報収集型」「比較検討型」「購入型」など複数の意図が混ざる場合がある
  • 「自分のサービスに誘導する文章だけで十分」
    → 読者の知りたい情報を先に満たさないと離脱されやすい

アクション例

  • ターゲットキーワードで実際にGoogle検索し、上位10サイトの見出し構成を一覧化
  • 共通している情報(=必須要素)と、自社ならではの追加情報(=差別化要素)を洗い出す
  • 記事構成に「必須+差別化」の両方を組み込む

4. E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)

E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価するために重視している4つの要素の略です。

  • Experience(経験):実際に体験した情報や事例があるか
  • Expertise(専門性):その分野に関する専門知識や技能があるか
  • Authoritativeness(権威性):業界内や公的機関などからの評価・推薦があるか
  • Trust(信頼性):正確で安全な情報提供がされているか

現場での使いどころ

  • SEO(認知段階)では、E-E-A-Tが高いページはGoogleから信頼され、上位表示されやすい
  • 興味・比較段階でも、E-E-A-Tが高いとユーザーが「この会社なら信頼できる」と判断しやすくなる
  • 医療・法律・金融などのYMYL領域(人生や生活に大きな影響を与える分野)では特に重要

よくある勘違い

  • 「専門知識があればE-E-A-Tは高い」
    → 専門知識があっても、記事やプロフィールで根拠を示さなければ評価されない
  • 「資格や肩書きだけで十分」
    → 実績や事例、第三者からの評価も必要
  • 「E-E-A-TはSEOだけに関係する」
    → 成約率やリピート率にも影響し、全フェーズで重要

アクション例

  • 自社サイトに運営者情報ページや執筆者プロフィールを追加する
  • 実績・事例・メディア掲載などを数値や具体名で示す
  • 記事に体験談や現場写真を加えて、一次情報を増やす

5. ランディングページ(LP)

ランディングページ(LP)とは、広告や検索結果、SNSなどから訪問したユーザーに、特定の行動(問い合わせ・購入・資料請求など)を促すために作られた1ページ完結型のWebページです。
訪問者が最初に「着地」するページという意味もあります。

現場での使いどころ

  • 新商品のキャンペーンや期間限定のサービス紹介に
  • SEO記事や広告から流入した見込み客を、最短でコンバージョンにつなげるためのページとして
  • サービス内容、実績、料金、CTA(行動喚起)を1ページに集約し、迷わせない導線を作る

よくある勘違い

  • 「LPは長ければ長いほど良い」
    → 情報は必要だが、冗長すぎると途中離脱が増える。あくまで読者の関心を保つ構成が大事
  • 「見た目が派手なら成約率が上がる」
    → デザインよりも、伝えるべき情報の順序と内容が成約率に直結
  • 「LPは広告専用」
    → SEOやSNS投稿からの流入にも活用できる

アクション例

  • 現在のLP(またはトップページ)を見直し、1つの行動(CV)に集中した構成になっているか確認
  • ファーストビュー(ページ最上部)に、何のページで、何をすべきかがすぐ分かる要素を入れる
  • 成約事例やお客様の声を追加し、信頼感を高める

6. CTA(Call To Action)

CTA(Call To Action)とは、Webページやメールなどでユーザーに次に取ってほしい行動を促すための要素やメッセージのことです。
ボタン・リンク・バナー・文章などが該当します。

現場での使いどころ

  • LPやブログ記事の最後に「問い合わせ」や「資料請求」への導線として
  • 商品ページに「今すぐ購入」「カートに入れる」などの行動ボタンとして
  • SNSやメルマガ内で次のステップ(サイト訪問・申込フォームなど)に誘導する役割

よくある勘違い

  • 「とにかく多く置けば効果的」
    → CTAが多すぎるとユーザーが迷い、行動率が下がることもある
  • 「ボタン色や形だけ変えれば改善できる」
    → 見た目だけでなく、配置・文言・タイミングが重要
  • 「全員同じCTAでOK」
    → 新規顧客向けと既存顧客向けでは、求められるCTAが異なる

アクション例

  • ページごとに主CTAを1つに絞る(補助的なCTAはあっても1〜2個まで)
  • ボタンやリンクの文言を「何が得られるか」を明確にする形に変更(例:「無料で資料をもらう」)
  • スマホ表示でCTAがスクロールしなくても見える位置にあるか確認

7. コンバージョン(CV)

コンバージョン(CV)とは、Webサイト上でユーザーが目標としている行動を完了することを指します。
目標はビジネスによって異なり、「お問い合わせ送信」「商品購入」「資料ダウンロード」などが一般的です。

現場での使いどころ

  • Web集客の最終成果を測る指標として活用
  • LP・ブログ・広告など、どの流入経路やページが成約につながっているかを把握する基礎
  • CVの計測は、Google Analytics(GA4)やGoogle広告などの解析ツールで行う

よくある勘違い

  • 「アクセスが増えれば自然にCVも増える」
    → アクセス数だけでは不十分。ターゲットの質や導線設計が重要
  • 「CVは1種類だけ」
    → 購入以外にも、見込み客獲得につながる行動(資料請求、メルマガ登録など)もCVとして設定できる
  • 「CV改善はデザイン変更だけで十分」
    → フォーム項目の見直しやCTA改善など、多角的な施策が必要

アクション例

  • 自社のWebサイトにおける「最重要な行動」を1〜3個定義する
  • GA4でコンバージョン計測の設定を行う
  • ページごとのCV率を確認し、高アクセス・低CVのページを優先的に改善

8. 顧客理解(ペルソナ+カスタマージャーニー)

顧客理解とは、理想的な顧客像や購買行動のプロセスを把握し、マーケティング施策やコンテンツ作りに活かすことです。
具体的には、ペルソナとカスタマージャーニーの2つを組み合わせて行います。

  • ペルソナ:年齢・性別・職業・趣味・価値観などを設定した「理想的な顧客像」
  • カスタマージャーニー:顧客が商品やサービスを知り、興味を持ち、比較検討して購入に至るまでの行動や心理の流れ

現場での使いどころ

  • WebサイトやLPの文章・構成を「誰に」「どのタイミングで」届けるかを明確化できる
  • 広告やSEOのキーワード選定にも活用でき、ムダな施策を減らせる
  • 既存顧客の情報を反映すると、より現実的な集客戦略になる

よくある勘違い

  • 「ペルソナは架空の人物像を作ればOK」
    → 現実の顧客データやヒアリング結果を元にしないと精度が低い
  • 「カスタマージャーニーは大企業だけが作るもの」
    → 小さな会社ほど、限られた予算で成果を出すために必須
  • 「一度作ったら更新不要」
    → 市場や顧客の行動は変化するため、定期的な見直しが必要

アクション例

  • 直近の顧客5〜10名の共通点を洗い出す(年齢・職業・目的など)
  • 「商品を知ったきっかけ」から「購入に至るまで」の流れをヒアリングまたは推測
  • 得られた情報をペルソナ1〜2名分と簡易カスタマージャーニー図にまとめる

9. Google Search Console(GSC)

Google Search Console(GSC)とは、Googleが提供する無料の公式ツールで、自社サイトがGoogle検索でどのように表示・評価されているかを確認・分析できます。
検索順位やクリック数、どんなキーワードで表示されているかなど、SEO改善に必要なデータが揃います。

現場での使いどころ

  • SEO施策の効果測定や改善点の発見
  • 新しく公開したページがGoogleにインデックスされているかを確認
  • 検索順位が下がったページやクリック率(CTR)が低いページを見つけ、タイトルや見出しを改善
  • エラーや警告(モバイル表示の問題、ページ速度低下など)の把握

よくある勘違い

  • 「GSCを登録すればSEOが改善する」
    → GSCはあくまで分析ツール。改善策を実行して初めて効果が出る
  • 「アクセス解析と同じ」
    → GSCは検索結果での表示状況を分析、Google Analytics(GA4)はサイト内の行動を分析する
  • 「難しい設定が必要」
    → サイト所有権を確認すればすぐに使える

アクション例

  • GSCに自社サイトを登録し、サイトマップ(sitemap.xml)を送信
  • 検索パフォーマンスレポートで上位表示されているページとキーワードを確認
  • 順位が10位前後かつCTRが低いページのタイトルや説明文(メタディスクリプション)を改善

10. GA4(Googleアナリティクス4)

Googleアナリティクス4(GA4)とは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールで、Webサイトやアプリの訪問者行動を計測・分析できます。
従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは異なり、イベントベースでデータを収集するのが特徴です。

現場での使いどころ

  • どのページがよく見られているか、どの流入経路から来ているかを把握
  • コンバージョン(CV)の発生場所や経路を分析
  • 広告やSNS投稿からの集客効果を測定
  • ページ滞在時間やスクロール率などを参考に、コンテンツ改善に活かす

よくある勘違い

  • 「GA4は導入しただけでOK」
    → 初期設定だけでは十分なデータが取れず、イベントやCV設定が必要
  • 「アクセス数だけを見れば集客の成否が分かる」
    → 数字だけでは不十分。質の高いアクセスかどうかも判断する必要がある
  • 「GA4は難しいから後回し」
    → 最低限の設定(計測タグ設置・主要CV設定)だけでも早めに入れておくべき

アクション例

- GA4を自社サイトに導入するための計測タグを設置
- 主要なコンバージョン(例:問い合わせ送信、資料ダウンロード)を設定
- 「集客」レポートでどの経路からの流入が多いかを確認

よくある失敗と対策

ここまで10のキーワードを解説しましたが、用語を知っていても、実際の運用でつまずくケースは少なくありません。
ここでは、会社が陥りやすい失敗と、その改善策をまとめます。

失敗1:用語を理解しても行動に移せない
原因:知識だけで満足してしまい、実践に落とし込めていない
対策:各用語で紹介した「まずやる1アクション」を1つずつ実行。期限を決めて進める

失敗2:SEO=記事量産と勘違い
原因:アクセス増加=記事数増と短絡的に考える
対策:検索意図に沿った記事を作り、既存記事も定期的に見直す(GSCで順位・CTR確認)

失敗3:MEOは投稿だけやればいいと思っている
原因:更新頻度だけに注力し、カテゴリや口コミ対策を軽視
対策:NAP情報の統一、主カテゴリ見直し、口コミ依頼&返信を並行して行う

失敗4:E-E-A-Tを資格や肩書きだけで満たそうとする
原因:専門性はあるが、実績や一次情報の発信が不足
対策:事例紹介や体験談、メディア掲載実績などを具体的に公開

失敗5:GSC・GA4を導入して放置
原因:データを見ても改善行動に結びつけられない
対策:月1回の定期確認をルーティン化し、「どのページを改善するか」を具体化

失敗6:顧客理解を1回作って終わり
原因:市場や顧客行動の変化を反映していない
対策:年1回はペルソナ・カスタマージャーニーを更新

このように、用語は知識ではなく「実行のきっかけ」にすることが大切です。
知っているのに成果が出ないときは、上記のどれかに当てはまっていないか見直してみてください。

まとめ

Web集客は、一つひとつの施策やツールがバラバラに存在しているわけではなく、
「認知 → 興味・比較 → 行動 → 計測・改善」という流れの中でつながっています。

今回紹介した10のキーワードは、その流れをまんべんなくカバーしています。

  • 認知を広げる:SEO、MEO、検索意図、E-E-A-T
  • 興味・比較・行動を促す:E-E-A-T、顧客理解、LP、CTA、CV
  • 成果を計測・改善する:Google Search Console、GA4

用語を覚えること自体が目的ではありません。
大切なのは、「この用語はどの段階で役立つのか」を理解し、実際の施策に落とし込むことです。

まずは、自社にとって影響が大きそうな用語を2〜3選び、この記事で紹介した「アクション例」から始めてみてください。
一歩ずつ改善を重ねれば、着実に集客効果を高めることができます。

最後に

もしこの記事を読んで「やってみたいけど、何から手をつければいいか分からない…」と感じたら、当社では小さな会社や士業向けのWeb集客サポートを行っています。

  • ホームページ更新・修正・改善代行
  • 月額定額web更新サービス
  • Google Search Console・GA4を使ったアクセス解析と改善

ヒアリングから課題分析、具体的な改善策の提案まで、実行を前提にしたサポートをご提供しています。
まずはお気軽にご相談ください。

▶︎ ホームページ更新・修正・改善代行
▶︎ 月額定額web更新サービス
▶︎ アクセス解析