【中小企業向け】スマホで見づらいホームページで起こる5つの問題と改善方法

はじめに
今では、ホームページを訪れるユーザーの 7割以上がスマートフォンから閲覧している と言われています。
にもかかわらず、「パソコンでは問題なく見えるから大丈夫」と考えたまま、スマホ表示を十分に確認していない中小企業は少なくありません。
スマホで見づらいホームページは、内容以前に離脱されてしまいます。
どれだけ良いサービスを提供していても、文字が読みにくい、ボタンが押しづらい、表示が遅いといった理由だけで、「問い合わせを検討する段階」にすら進んでもらえないのです。
本記事では、専門的な知識や難しい設定がなくても気づける、中小企業が見落としがちなスマホUX(使いやすさ)の落とし穴と、その改善方法を整理します。
まずは「自社サイトはスマホでどう見えているか」を確認するきっかけとして、気になるポイントから読み進めてみてください。
1. 文字が小さくて読めない(読み飛ばされる)
スマホでホームページを見たとき、文字が小さいだけで読む気は一気に下がります。
ピンチアウトして拡大しないと読めない状態は、ユーザーにとってかなりのストレスです。
特にスマホでは、「読みにくい」と感じた瞬間に戻るボタンを押されがちです。
内容が悪いわけではなく、読めない=読まれない という単純な理由で離脱が起こります。
中小企業のサイトでよくあるのが、パソコン表示を基準に文字サイズを決めてしまい、スマホでは相対的に小さく見えてしまうケースです。
改善として意識したいのは、以下の基準です。
- 本文の文字サイズは 16px以上 を目安にする
- 見出しは 20〜24px程度 でメリハリをつける
- 行間は 1.6前後 にして、詰まりすぎないようにする
これだけでも、読みやすさは大きく変わります。
スマホでの読みやすさは、デザインの好みではなく「配慮」の問題です。
まずは自社サイトをスマホで開き、何も操作せずに自然に読めるかどうかを確認してみてください。
それが改善の第一歩になります。
2. ボタンが押しづらい(問い合わせ率が下がる)
スマホ操作は、マウスではなく「指」で行われます。
この前提が抜け落ちていると、ボタンが押しづらくなり、問い合わせ率は確実に下がります。
よくあるのが、
- ボタンが小さい
- 文字リンクだけで分かりづらい
- 周囲の余白がなく、誤タップしやすい
といった状態です。
ユーザーは「押しづらい」と感じた瞬間に、無意識にストレスを感じます。
そのストレスが積み重なると、「後でいいか」「他のサイトを見よう」と判断され、問い合わせに至りません。
改善の目安としては、ボタンの幅は最低でも45px以上 を確保する こと。
また、ボタンの周囲にしっかり余白を持たせることで、誤タップを防げます。
さらに効果的なのが、CTA(お問い合わせボタン)をスマホ画面の下部に固定する方法です。
スクロールしても常にボタンが見えている状態を作ることで、「問い合わせたい」と思った瞬間を逃さずに済みます。
ボタンは「あるかどうか」だけでなく、「押しやすいかどうか」が重要です。
スマホで自社サイトを操作し、片手でストレスなくタップできるかを一度確認してみてください。
3. 画像が大きすぎて読み込みが遅い(SEOにも悪影響)
スマホでページを開いたとき、表示に時間がかかると、それだけで離脱されてしまいます。
特に、画像がなかなか表示されない状態は「壊れているサイト」「重たいサイト」という印象を与えがちです。
中小企業のホームページでは、
- 高解像度の写真をそのまま使っている
- パソコン用サイズの画像をスマホでも表示している
といったケースが多く見られます。
見た目はきれいでも、スマホでは読み込み速度の低下につながります。
スマホでの表示速度が遅いと、ユーザーが離脱しやすくなるだけでなく、検索エンジンからの評価にも悪影響を与える可能性があります。
つまり、「見づらい」だけでなく「見つけてもらいにくくなる」リスクもあるということです。
改善方法としては、
- 画像を WebP形式に変換する
- 表示サイズに合わせて 画像を最適化する
- スクロールしたときに画像を読み込む LazyLoad を使う
といった対策が効果的です。
すべてを完璧にやる必要はありません。
まずは「画像が多いページほど重くなっていないか」をスマホで確認するだけでも、改善のヒントが見えてきます。
4. PCレイアウトがそのまま表示される(情報が伝わらない)
パソコン用に作られたレイアウトを、そのままスマホに当てはめてしまうと、情報は一気に伝わりにくくなります。
特に多いのが、PCでは見やすい 3カラム構成 が、スマホでは縦に長く並び、「どこを読めばいいのか分からない」状態になってしまうケースです。
スマホ画面は小さく、ユーザーはスクロールしながら流し読みしています。
そのため、情報が横並びになっていたり、装飾が多かったりすると、内容を理解する前に読むのをやめてしまいます。
結果として、「ちゃんとした情報があるのに、伝わらない」ホームページになってしまうのです。
改善の基本はシンプルです。
スマホでは 1カラム構成 を前提に考え、
「見出し → 本文 → 行動(CTA)」
という流れを縦に並べることを意識します。
情報量を減らす必要はありません。
ただし、表示の順番と区切り方を整理するだけで、理解しやすさは大きく変わります。
スマホで自社サイトを見たとき、
「どこが一番伝えたいポイントか」
「次に何をしてほしいのか」
が自然に目に入るかどうか、一度確認してみてください。
5. メニュー(ナビ)が分かりづらい(目的地に辿り着けない)
スマホでホームページを見ているとき、「次にどこを見ればいいのか分からない」 という状態になると、ユーザーはほぼ確実に離脱します。
スマホ画面では、PCのように全体を見渡すことができません。
そのため、小さなリンクが並んでいたり、文字だけのメニューが詰め込まれていたりすると、目的のページに辿り着く前に諦めてしまいます。
特に多いのが、
- メニュー項目が多すぎる
- 文字が小さく、押しづらい
- 重要なページが埋もれている
といったケースです。
改善策としては、ハンバーガーメニューに整理することが基本になります。
そのうえで、メニュー内の項目は「本当に重要なもの」に絞り、3つ程度の主要導線を意識すると、格段に分かりやすくなります。
たとえば、
「サービス内容」
「実績・事例」
「お問い合わせ」
といった形で、ユーザーの行動につながるページを優先的に配置します。
スマホでのナビゲーションは、「すべてを見せる」ことよりも、「迷わせない」ことが重要です。
自社サイトをスマホで操作し、初めて訪れた人の目線でスムーズに目的地へ辿り着けるかを確認してみてください。
まとめ
スマホ対応は「デザインを整える話」と思われがちですが、実際には 売上や問い合わせに直結する重要なポイント です。
スマホで見づらいだけで、ユーザーは内容を読む前に離脱してしまい、問い合わせの機会そのものを失ってしまいます。
今回紹介した5つの問題は、どれも中小企業のホームページでよく見かけるものです。
文字の小ささ、ボタンの押しづらさ、表示速度の遅さ、レイアウトの分かりにくさ、ナビゲーションの迷い。
これらが重なると、
- 問い合わせが減る
- 滞在時間が短くなる
- 結果として検索評価も下がる
という負の連鎖が起こりやすくなります。
ただし、専門的な知識や大規模なリニューアルが必要なわけではありません。
今日のチェックポイントをもとに、まずは 自社サイトをスマホで一度見直す だけでも十分な改善につながります。
小さな見直しの積み重ねが、「見てもらえるサイト」から「選ばれるサイト」へと変えていきます。
最後に
スマホで見づらいホームページは、気づかないうちに大きな機会損失を生んでいます。
ただ、多くの場合は「作り直し」や「大きな投資」が必要なわけではなく、文字サイズやボタン、導線といった 一部を整えるだけで改善できるケース も少なくありません。
「スマホで見づらい気はするけれど、どこを直せばいいか分からない」
「本格的なリニューアルまでは考えていない」
そんな場合でも、まずは現状を整理するだけで、次にやるべきことが見えてきます。
当社では、ホームページのスマホ表示について文字の読みやすさ、ボタンの配置、導線、表示速度などを中心に、必要な部分だけを無理なく整える改善のご相談にも対応しています。
大きな変更を前提としたものではありませんので、気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
